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国立感染症研究所 エイズ研究センター
National Institute of Infectious Diseases, AIDS Research Center
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1981年に米国にてエイズ症例の最初の報告がなされてから30年の歳月が流れました。この間、分子生物学等の科学は大きく進歩し、抗HIV薬の開発も進展しましたが、未だに世界のHIV感染者数は3000万人を超え、毎年200万人近くの方がエイズによって亡くなっていると推定されています。このように世界のHIV感染拡大は極めて深刻な状況にありますが、国内に目を向けても、HIV感染者数増大は加速する傾向にあり、憂慮すべき状況です。エイズ研究センターは、このようなHIV感染症の克服に向けたエイズ対策研究拠点として、総合的な戦略研究を推進しております。

 HIV感染症への対策としては、社会的予防活動、ワクチン、治療薬等が基本となりますが、各々単独での克服は難しいと考えられます。教育・啓蒙活動等を含めた社会的予防活動は最も重要な戦略ですが、それだけでは、慢性持続感染を特徴とするHIVの感染拡大を阻止することは困難です。エイズワクチンは予防の切り札と考えられ、その開発は最重要課題とされていますが、開発に成功したとしても、社会的予防活動の重要性は変わりありません。治療薬開発には進展がみられますが、これまでの抗生物質多剤耐性菌や耐性結核菌出現等の苦い経験をふまえた総合的な対策が必要です。したがって、エイズ研究センターでは、HIV感染症に対し、社会的予防活動、ワクチン、治療薬等をバランスよく組合わせた総合対策に結びつく研究体制を構築し、戦略研究を推進していくことを重視しています。今後、当センターの研究成果が、国内外のHIV感染症の制圧に結びつくことを期待するとともに、当センターから総合的かつ長期的視点に基づいた戦略研究を遂行する能力を有する人材を輩出し、高度な感染症研究体制の維持・発展に貢献することができればと考えております。

2011年7月1日

エイズ研究センター長
俣野 哲朗