平成23年度 厚生科学研究費補助金 新型インフルエンザ等新興・再興感染症研究事業 国際的な感染症情報の収集、分析、提供機能およびわが国の感染症サーベイランスシステムの改善・強化に関する研究 分担研究者 国立感染症研究所 細菌第二部 堀野敦子 主任研究者 国立感染症研究所 感染症情報センター 谷口清州

研究協力のお願い

 

研究協力医療機関の募集は終了いたしました。

研究協力に関するお問い合わせ

E-mail : mycoplasma2011(アットマーク)nih.go.jp

*本研究に関する事務局は 国立感染症研究所 細菌第二部(担当:堀野、鈴木)となります

研究目的

マイコプラズマ肺炎は、「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律」により、五類感染症に位置づけられており、基幹定点病院からの届出を求めています。かつてマイコプラズマ肺炎は4年周期で流行し、その多くが軽症、自然治癒またはマクロライド系抗菌薬が奏功する疾患とされていました。しかし、基幹定点病院からの届け出患者数(報告数)を見てみると、流行の4年周期は消失し、2000年以降ほぼ継続的に増加し続けています(図1)。さらに2011年は6月ごろより定点当たりの報告数が急増し、過去最高の水準で推移しています(図2)。


図1 マイコプラズマ肺炎基幹定点報告数年別推移(2000〜2011年)
国立感染症研究所 感染症情報センター

図2 マイコプラズマ肺炎 感染症発生動向調査 週報2011年50週(第50号)より

報告数増加の要因として、マイコプラズマ肺炎の原因菌であるMycoplasma pneumoniaeのマクロライド系抗菌薬に対する耐性化、基幹定点病院に入院を要するような重症例の増加、迅速診断キットの普及、などが考えられますが、実際にこれらの要因がどの程度影響しているかは不明です。しかしながら、M. pneumoniaeのマクロライド耐性率は、2000年代後半より増加し2011年には8割に達したとの報告があり(生方ら、IASR Vol. 32 p. 337-339: 2011年11月号)、臨床現場における治療薬の選択に検討を要する状況となっています。さらに報告数の増加に対して公衆衛生学的にどのような対応とるべきかの検討も必要とされます。

本研究は、マイコプラズマ肺炎に対する今後の臨床的、公衆衛生学的対応を検討する際の基本となるデータの提供を目的とし、そのためにマイコプラズマ肺炎により入院加療を受けた患者の臨床経過を収集解析いたします。マイコプラズマ肺炎として入院した症例が、どのような抗菌薬治療を受け、どのような臨床経過をたどったのか、ステロイドや補助換気といった治療をどの程度の症例が受けていたのか、呼吸器系以外の合併症としてどのようなものがあったのか、そして診断方法として何が用いられていたのか等を検討する予定です。

対象と方法

研究計画書(PDF

① 臨床情報の収集

対象:2011年6月〜2011年12月にマイコプラズマ肺炎と診断され、入院加療を受けた患者
*診断は感染症法に基づく医師の届け出基準に準じ、下記のいずれかをみたすものといたします。なお、胸部レントゲン写真等による肺炎像の有無は問いません。

検査方法 検査材料
分離・同定による病原体の検出 気道から採取された検体
PCR法又はLAMP法による病原体の遺伝子の検出
抗体の検出
(ペア血清による抗体陽転又は抗体価の有意の上昇、又は単一血清で間接血球凝集抗体価320倍以上、補体結合抗体価64倍以上、ゼラチン粒子凝集抗体価320倍以上、若しくはIgM抗体の検出(迅速診断キット))
血清

方法:症例ごとに下記臨床経過調査を記入のうえ国立感染症研究所細菌第二部へ2012年2月末日までに郵送
   「臨床経過調査票」(PDF )(Word

② 臨床検体と臨床情報の収集

対象:
2012年2月にマイコプラズマ肺炎が疑われ入院となった患者
臨床検体:
咽頭もしくは鼻咽頭スワブ
検体の採取と輸送の方法(PDF )
 
臨床情報:
検体を採取した患者が退院後、①と同様に臨床経過調査票を記入のうえ郵送

解析方法

  1. 収集された臨床情報は、年齢や性別の分布、診断方法や処方された抗菌薬の種類についての解析を行い、さらに入院期間や発熱期間、合併症の有無といった予後とこれらの要因との相関について検討いたします。
  2. 臨床検体(スワブ)については菌株の分離培養を行うとともに直接DNAを抽出して遺伝子検査法によるM. pneumoniaeの検出を行います。さらに陽性となった検体に対しては、マクロライド耐性の有無についても解析を行います。

(注意:臨床検体の解析結果は、研究終了後(2012年4月以降)に協力医療機関に報告いたします。臨床上必要な検査は別途実施していただきますようお願いいたします。

臨床研究に関する倫理審査について

① 臨床情報のみの提供の場合、

② 臨床検体と臨床情報を提供する場合

国立感染症研究所における倫理審査について

本研究は国立感染症研究所の倫理審査を受け、承認されています。
研究に協力していただく際に、国立感染症研究所の倫理審査書類が必要な場合はその旨ご連絡ください。

研究成果の公表および発表について

  1. 2012年4月中旬ごろまでに研究班の報告書として結果をとりまとめます。本報告書を研究協力医療機関に郵送いたします。
  2. 学会、論文発表をする際には、研究協力医療機関と担当者のお名前を謝辞に記載させていただきます。

利益相反について

本研究に関する費用は、「平成23年度厚生科学研究費補助金新型インフルエンザ等新興・再興感染症研究事業 国際的な感染症情報の収集、分析、提供機能およびわが国の感染症サーベイランスシステムの改善・強化に関する研究(研究代表者谷口清州)」より支出されます。

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