日本脳炎 Q&A by ウイルス第一部

Q1:日本脳炎は100人から1000人に1人しか発病*しないというのは、どうしてこんなに数字に幅があるのですか。
A1:これは、東南アジアでの複数の異なる調査から得られた数字です。
    *
発病には、頭痛、発熱などの症状も含まれます。

Q2:最近、ヤブ蚊によく刺されます。日本脳炎にかかる心配はないでしょうか。
A2:日本脳炎を媒介する蚊は、コガタアカイエカというイエカ属の蚊です。それ以外にも20数種類の蚊が感染可能ですが、我が国では主な媒介蚊はコガタアカイエカです。アカイエカから日本脳炎ウイルスが検出されることもありますので、基本的に蚊に刺されないように注意する必要はあります。

Q3:コガタアカイエカは町でも発生しますか。
A3:コガタアカイエカは主に水田で発生します。水田のような大きさの同じような水溜りがあれば発生します。また、コガタアカイエカの飛翔距離は概ね2kmとされていますが、8kmほど移動したことが報告されています。大都市でも成虫が見つかります。

Q4:高知県に住んでいます。高知県ではここ4年ほど日本脳炎患者が発生していません。もう日本脳炎に罹る心配はないでしょうか。
A5:高知県では、図1に示しますように毎年、夏期にはブタの間で日本脳炎ウイルスが蔓延しています。2002年には広島県で12年ぶりに患者が3人発生しました。ですから、日本脳炎に罹る可能性はあります。
(注)この質問は、2005年5月に作成されました。高知県では2006年に日本脳炎患者が発生しました。

<ブタの日本脳炎感染状況>
 
黒:80%以上抗体陽性、青:50−80%抗体陽性、ピンク:50%以下であるが抗体陽性、淡黄色:抗体陰性、白:実施せず
(2002年は暑夏、2003年は冷夏)

Q5:日本脳炎に感染する可能性がある期間を教えてください。
A5:地域によって異なりますが以前の患者発生の状況からは、4月から10月中は感染する可能性があると考えてください。

Q6:日本脳炎ウイルスは、脳炎以外の病気は起こさないのですか。
A6:髄膜炎を起こしたり、単なる発熱だけで終わることもあります。脳炎のみを起こすわけではありません。

Q10:日本脳炎ウイルスの増幅動物は、ブタだけですか。
A10:ブタだけではありません。サギなどの鳥やイノシシもその可能性があります。

Q11:アメリカの友人が、日本に来るの(1年間滞在予定)に日本脳炎ワクチンを接種してきました。みんな接種して来るのでしょうか。
A11:日本をはじめ東南アジアなどに長期に滞在する場合は、日本脳炎ワクチンの接種が推奨せれています。1978年から1992年の間に、米国疾病対策予防センター(CDC)に24例の日本脳炎患者が報告されています。そのうち11例が流行地に長期滞在し、8例はアメリカ軍人でした(1例は沖縄で発生)。したがって、あなたの友人が日本脳炎ワクチンを接種してきたのは、正しかったと思います。

Q12:日本で日本脳炎予防接種をこのままやめた場合、患者は増加しますか。
A12:長期間ワクチン接種を停止すれば、国内でウイルスが活動している以上、再び流行する恐れがあります。韓国では、予防接種を緩めた結果、1982年に患者発生が約10倍に急増した(1197人)経験があります。

2007/5/10
(ウイルス第一部 第2室)