狂犬病ワクチンQ&A 

目次

1. 狂犬病について
2. 狂犬病ワクチンについて
3. 海外に渡航する場合の注意事項
4. ワクチン接種ならびに流行状況に関するホームページ


1. 狂犬病について

Q1. どんな病気ですか?
狂犬病ウイルスによって引き起こされるウイルス性疾患です。発症した場合には、有効な治療法がなく、極めて希な例外を除いて死に至ります。狂犬病についての詳しい情報は、国立感染症研究所感染症情報センターのホームページに掲載されています。
http://idsc.nih.go.jp/idwr/kansen/k03/k03_18/k03_18.html)

Q2. 人から人に感染しますか?
通常、人から人に感染することはありません。ただし、発症した患者の唾液中には狂犬病ウイルスが含まれており、傷口や粘膜からは感染の可能性があるため、注意が必要です。

Q3. どの地域で発生していますか?
狂犬病は一部地域を除き世界中で発生しており、毎年50,000人以上の方が亡くなっています。特に発生の多い地域はアジアや南米、アフリカです。米国や、隣国の韓国、中国、ロシアでも発生があります。狂犬病の発生していない主な地域は、日本、台湾、オーストラリア、グアム、ニュージーランド、フィジー、ハワイ諸島、アイスランド、アイルランド、英国(グレート・ブリテンおよび北アイルランドに限る)、スウェーデン、ノルウェーです。

Q4. 日本でも発生していますか?
日本は、狂犬病予防法(1950年施行)によるイヌへのワクチン接種の義務化と野犬の捕獲により、狂犬病の駆逐に成功しました。1957年以降、ヒトならびにイヌとも国内での感染による狂犬病は発生していません。ただし、海外でイヌに咬まれ、帰国後に狂犬病を発症した例として、1970年に1例(ネパール)、2006年に2例(フィリピン)が報告されています。

Q5. 狂犬病ウイルスはどのようにして感染するのですか?
狂犬病を発症した動物では、唾液中にウイルスが排出されます。動物に咬まれた際、唾液中のウイルスが傷口に入ることで感染します。

Q6. 犬以外からも感染しますか?
犬以外の動物から感染する可能性はあります。感染源になる動物は犬、猫、キツネ、アライグマ、スカンク、コウモリ等です。現在、米国ではコウモリが主たる感染動物になっています。

Q7. 狂犬病の症状はどのようなものですか?
はじめは食欲不振や発熱、悪寒、頭痛、悪心など風邪の様な症状が現れます。創傷部に痒みや痛みを感じることもあります。その後、興奮や不安感、せん妄、精神錯乱、麻痺などの神経症状があらわれます。これは2−7日続きます。また、半数以上の症例で、水を飲もうとした時に咽喉頭の筋肉や全身の痙攣が起こる「恐水症状」がみられます。その後昏睡に陥ります。昏睡は3−7日続き、死に至ります。


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2. 狂犬病ワクチンについて

Q8. ワクチン接種にはどのような種類がありますか?

狂犬病ワクチンを接種することで発症を防ぐことができます。ワクチン接種には、予防のためにあらかじめ受けておく「暴露前接種」と、狂犬病のおそれのある動物に咬まれた後に受ける「暴露後接種」があります。ワクチンは同じものを使います。

Q9. ワクチン接種はどこで受けられますか?
ワクチンの予防接種機関についての詳しい情報は厚生労働省検疫所のホームページ(http://www.forth.go.jp/)に掲載されています。

Q10. 狂犬病ワクチンはどのようなものですか?
日本の狂犬病ワクチンは、病原性が弱いウイルスを鶏胚初代培養細胞において増殖させ、さらに薬剤を使ってウイルスの感染性をなくした(不活化)したワクチンです。

Q11. ワクチン接種の回数を教えてください。
予防(暴露前)接種では、ワクチンを4週間隔で2回皮下に注射し、さらに6−12ヶ月後に追加接種します。暴露後接種では、第1回目を0日として、以降3、7、14、30および90日の計6回皮下に注射します(国内標準法)。

Q12. 日本国内で犬に咬まれました、ワクチン接種は必要ですか?
日本では狂犬病が清浄化されていますので、国内の犬に咬まれることで狂犬病を発症する危険性はほとんどありません。加害犬が飼い犬の場合には、Q13.を参考にして下さい。加害犬が飼い犬かどうか特定できない場合には、最寄りの保健所に届け出て状況等を説明して下さい。加害犬を2週間観察して健康状態に変化がない場合、以降の暴露後接種は必ずしも必要ありません。なお、海外から国内に侵入した動物に咬まれた場合は、状況によってワクチン接種を検討して下さい。

Q13. 日本国内で飼い犬に咬まれました、ワクチン接種は必要ですか?
日本国内で飼育されている犬に咬まれる事故は、程度の差はありますが、毎日発生しているともいえる状況です。しかし、日本国内の犬に咬まれて狂犬病になった人は過去50年ありませんでした。このようなことから、咬傷事故の後、実際にワクチン接種を受ける方は極めて希です。もし咬まれてご心配の場合は、犬の履歴(海外との関係等)を知って、犬の臨床症状を獣医師に見てもらい、ワクチン接種の必要性について、お近くのワクチン接種機関にご相談下さい。

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3. 海外に渡航する場合の注意事項

Q14. 渡航先で狂犬病が発生しているかどうか教えて下さい。
流行状況については、外務省のホームページ(http://www.anzen.mofa.go.jp)等にて確認して下さい。

Q15. 海外旅行に行く予定です。ワクチン接種を受ける必要がありますか?
アジアやアフリカ、南米といった狂犬病発生地域に渡航し、動物と接触する機会がある方は、予防接種を受けておいた方が良い場合があります。渡航期間や旅行内容についても異なるので、個別には予防接種を扱う機関においてご相談下さい。

Q16. ワクチン接種以外に気をつけることはありますか?
野良犬や猫、その他の野生動物(キツネ、アライグマ、コウモリ、スカンク等)との接触は避けて下さい。動物からヒトが感染する病気は狂犬病以外にも多いため、海外では動物に不用意に近づかないよう注意して下さい。

Q17. 狂犬病のおそれのある動物に咬まれました。どうすればよいのでしょうか?
すぐに傷口を石けんと水でよく洗い(傷口に付着したかもしれないウイルスを洗い流すためです)、速やかに現地の医療機関で傷の処置と狂犬病ワクチン接種を受けて下さい。ただし、十分な医療を受けることの出来ない場合には、出来るだけ早く帰国し、日本国内でワクチン接種を受けたほうが良いでしょう。また、現地医療機関の受診の有無にかかわらず、帰国時には検疫所(健康相談室)にご相談下さい。

Q18. 外国で犬等に咬まれてワクチン接種を受けました。帰国後、どうすればよいでしょうか?
日本に帰国した後も、ワクチンの暴露後接種を続けて下さい。詳しくは検疫所(健康相談室)やワクチン接種機関にご相談下さい。

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4. ワクチン接種ならびに流行状況に関するホームページ

1)狂犬病に関するQ&A厚生労働省(狂犬病:狂犬病に関するQ&A)
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou10/07.html

2)狂犬病一般について 国立感染症研究所感染症情報センター (感染症の話) http://idsc.nih.go.jp/idwr/kansen/k03/k03_18/k03_18.html

3) 狂犬病ワクチンの接種について 厚生労働省検疫所 (海外渡航者のための感染症情報) http://www.forth.go.jp/

4) 海外における狂犬病の流行状況について 外務省 (海外安全ホームページ) http://www.anzen.mofa.go.jp/

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(平成19年5月22日更新)