忌避剤Q&A

デングウイルスなどの感染を予防するためには、蚊による吸血を避ける事が重要です。

安全な忌避剤(虫除け)の使用方法

一般的質問

Q. なぜ忌避剤を使用しなければいけないのですか?

A. 忌避剤の使用により蚊の吸血を避けることが出来ます。蚊はときに死に至る日本脳炎、ウエストナイル熱・脳炎やデング熱等の原因ウイルスを媒介します。忌避剤の使用により野外での仕事等の活動における蚊の吸血を避けることが出来ます。

Q. 忌避剤はどのようなときに使用するべきでしょうか?

A. 外出するときには昼間、夜間を問わず使用して下さい。あなたが気付かなくても蚊に刺される可能性があります。また日本脳炎ウイルスやウエストナイルウイルスを媒介する蚊の多くが夕方から明け方にかけて吸血します。夜間に野外活動をする場合は特に忌避剤を使用する必要があります。

Q. 忌避剤はどのような頻度で使用するべきですか?

A. 一般的に蚊に吸血され始めたら再使用して下さい。また常に忌避剤の使用上の注意に従って下さい。発汗、雨降り、水遊び等で濡れた場合はより頻繁に忌避剤を使用する必要があります。 一般的に有効成分が高濃度に含まれている忌避剤は薬剤の有効性が長く持続します。

Q. 忌避剤はどのように働きますか?

A. 雌の蚊は人や動物の血液に含まれる蛋白を産卵時に必要とするため吸血します。蚊は人の皮膚臭と呼気中の二酸化炭素により人に誘引されます。蚊は忌避剤の有効成分を嫌うため人に近寄らず、忌避剤により蚊が死ぬことはありません。また忌避剤は塗布表面の近くでのみ効果を示すため、忌避剤を使用しても蚊は人の周りを飛び回ります。


有効成分(忌避剤の種類)

Q. どの忌避剤が一番良いですか?

A. アメリカ疾病対策センター(CDC)は科学的検証により有効性が証明され、皮膚や衣服に使用することをアメリカ環境保護庁(EPA)により認可された有効成分を含む製品を推奨しています。EPAは有効性と人および環境への影響を評価し忌避剤を認可しています。EPAに認可されたと言うことはラベルに記載された使用上の注意に従い忌避剤を使用した場合に健康や環境に対する非科学的な副作用が予想されないことを示します。

EPAに認可された製剤のうち、長く持続し高い効果が示されている成分は [(参考文献 (英語)]:
• ディート(DEET: N,N-diethyl-m-toluamide)と
• イカリジン(ピカリジン)(Icaridin, Picaridin: KBR 3023)です。

ユーカリ油[有効成分:p-menthane 3,8-diol (PMD)]を主成分とした忌避剤も販売されています。近年の研究では蚊に対して低濃度のディートと同様の効果を示したと報告されています。

Q. 忌避剤に含まれる有効成分の濃度と効果の関係を教えて下さい。

A. 概して、有効成分の濃度が高いほど、蚊の吸血に対する効果が長く持続します。しかしながら有効成分の濃度の差を性急に比較することはできません。つまり 10%濃度のある製品が 10%濃度の他の製品と同様の効果を発揮するとは言えません。

ディートは多くの忌避剤の中でも特に効果が示されている有効成分です。2002年に発表された研究によれば:

• 23.8% の DEET を含有するものを使用した場合蚊に対する忌避効果が約 5 時間持続するとされます。
• 20% の DEET を含有するものを使用した場合蚊に対する忌避効果がほぼ 4 時間持続するとされます。
• 6.65% の DEET を含有するものを使用した場合蚊に対する忌避効果がほぼ 2 時間持続するとされます。
• 4.75% の DEET を含有するものを使用した場合蚊に対する忌避効果が約 1 時間30 分持続するとされます。

以上は 1 つの研究結果であり、実際の効果は気温、発汗、雨降り、水遊び等で水に濡れる等の状況によって変化するため参考程度にして下さい。

野外活動の予定によって忌避剤を選択して下さい。長時間野外活動を行う場合は高濃度の忌避剤を選んで下さい。また短時間の場合は低濃度の忌避剤を使用して下さい。予定よりも長く野外活動を行い忌避剤の効果が薄れ蚊に刺され始めたら使用上の注意に従い忌避剤を再使用して下さい。

Q. なぜアメリカ疾病対策センター(CDC)は特定の忌避剤を推奨しているのでしょうか?

A. アメリカ疾病対策センター(CDC)はアメリカ環境保護庁(EPA)に認可された忌避剤を推奨しています。なかでもディート(N,N-diethyl-m-toluamide)は有効成分の効果が最も持続します。またユーカリ油(p-menthane-3,8-diol)を含む忌避剤は植物由来の原料をもとにした忌避剤のなかでは比較的効果が長く持続します。その他の忌避剤としてペルメトリンを含む忌避剤も効果が長く持続します。ペルメトリンは衣服、蚊帳、テント及び寝袋等に塗布して使用します。直接皮膚に塗布してはいけません。一般的に有効成分の濃度が高い場合その効果はより長く続くとされています。忌避剤の使用により具合が悪くなる等の症状が現れた場合は、直ちに、医師の診療を受けて下さい。

Q. 忌避剤に含まれている有効成分はどのようにすれば解りますか?

A. 製品のラベルを見て下さい。有効成分の表示は義務付けられています。また一般名の他に化学名等の別名が特に海外等では記載されている場合があります:

• ディートは DEET や N,N-diethyl-m-toluamide など。
• ユーカリ油(レモンユーカリ油)は Oil of lemon eucalyptus や p-menthane 3,8-diol (PMD)など。
• イカリジン(ピカリジン)はIcaridin、Picaridinや KBR 3023、欧州では Bayrepelなど。

Q. ペルメトリンとは何ですか?

A. ペルメトリンは靴、蚊帳、キャンプ用品などに使用します。しかしながら直接皮膚に使用してはいけません。ペルメトリンは殺虫剤、忌避剤として極めて有効です。ペルメトリン処理した衣服はダニ、蚊、その他の節足動物を寄せ付けず、殺虫します。またこの効果は洗濯後も持続するとされています。ペルメトリンの再処理に関しては使用上の注意を正しく守って下さい。ペルメトリン処理された蚊帳等の製品も販売されています。

Q. どこでこれらの忌避剤を入手できますか?

A. ほとんどの忌避剤は薬局、スーパー等で入手可能です。またホームセンターやアウトドア専門店でも購入できます。


忌避剤の正しい使用法

Q. 忌避剤を使用する場合にどのようなことに注意すれば良いでしょうか?

A. 使用上の注意を良く読んで正しく使用して下さい。

• 露出した皮膚や衣服に塗布して下さい。衣服の下の皮膚には使用しないで下さい。過量に塗布する必要はありません。
• 切り傷、傷、炎症部位には使用しないで下さい。
• 屋内に戻ったら洗剤と水でよく洗い流して下さい。(製品の説明書を読んで下さい)
• 密閉された場所でスプレーを使用しないで下さい。
• 顔に直にかけず、一度手に取り良く伸ばした後、顔に塗布して下さい。目や口には入れないで下さい。

Q. 忌避剤を使用した場合の副作用を教えて下さい。

A. 忌避剤の使用により希に皮膚反応が認められる場合があります。また多くの製品で、目に入った場合炎症反応が起こるとされています。もし副作用が現れたら使用を中止し、ただちに皮膚を洗い流して医師の診察を受けて下さい。また万が一目に入った場合は水で洗い流し医師の診察を受けて下さい。医師の診察を受ける際には使用した製品を持参して下さい。

(米国では 1-800-222-1222 に電話すると専門家につながります)


子供と忌避剤

Q. 忌避剤を子供に使用してもいいですか?

A. 各製品の説明書をチェックしてください。もし、小児の使用に関して特に何も書かれてなければ使用しても構いません。アメリカ疾病対策センターは米国製品の説明書に従いユーカリ油を 3 歳以下の子供には使用しないよう発表しています。一方、アメリカ小児学会(AAP)はユーカリ油に関してまだ見解を発表していません。

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ディートに関しては厚生労働省医薬食品局より2005年8月24日に次のような
発表がありました:

ディートを含有する医薬品及び医薬部外品に関する安全対策について

• 漫然な使用を避け、蚊、ブユ(ブヨ)等が多い戸外での使用等、必要な場合にのみ使用すること。
• 小児(12歳未満)に使用させる場合には、保護者等の指導監督の下で、以下の回数を目安に使用すること。なお、顔には使用しないこと。

・6か月未満の乳児には使用しないこと。
・6か月以上2歳未満は、1日1回
・2歳以上12歳未満は、1日1~3回

• 目に入ったり、飲んだり、なめたり、吸い込んだりすることがないようにし、塗布した手で目をこすらないこと。万一目に入った場合には、すぐに大量の水又はぬるま湯でよく洗い流すこと。また、具合が悪くなる等の症状が現れた場合には、直ちに、本剤にエタノールとディートが含まれていることを医師に告げて診療を受けること。

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ディートに関してアメリカ疾病対策センター(CDC)の見解は次のとおりです:

DEETは最も広く使用されている忌避剤であるため多く人から子供への使用の是非について質問を受けます。これまでの研究では何%のDEETが子供に対して安全かの最終的なデータは得られていません。使用上の注意に従って使用した場合、子供に重度な副作用の報告はありません。アメリカ小児学会(AAP)の環境健
康委員会は 2003 年に子供のDEET使用法について次のような発表を行いました。

①10%のDEET (N,N-diethyl-m-toluamide或いはN,N-diethyl-3-methylbenzamide)を含む忌避剤は 30%DEET忌避剤よりも使用上の注意を守る限り安全であると思われます。②2 か月齢未満の乳児にDEETを使用してはいけません。保護者は野外活動の時間、蚊の有無、蚊媒介性疾患の流行状況を考慮して忌避剤とその濃度を選択し子供に使用して下さい。

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もし、小児に忌避剤を使用することが心配である場合には、専門家あるいは医師に相談してください。

Q. 子供に忌避剤を使用する場合に注意することを教えて下さい?

A. 常に使用上の注意を良く読んで正しく使用して下さい:

• 子供に忌避剤を使用する場合は一度保護者の手に取り、塗布して下さい。子供の目と口には入らないように注意し耳の周りには控えめに塗って下さい。
• 子供の手には塗らないで下さい。(子供は手を口に入れてしまう恐れがあります。)
• 小さな子供に忌避剤を使用させず、大人が塗ってあげて下さい。
• 子供の手の届かない場所に保管して下さい。
• 衣服の下に忌避剤を使用しないで下さい。一度衣服に忌避剤を使用した場合は続けて衣服を着用せず洗濯してから着用して下さい。(忌避剤により使用法が異なりますので使用上の注意を読んで下さい。)

Q. こどもを蚊の吸血から守るためには他にどの様なことに気を付ければ良いですか?

A. 忌避剤の使用が蚊の吸血から身を守るための唯一の方法ではありません。子供(あるいは大人)は野外で活動する場合、可能な限り長袖長ズボンを着用しましょう。DEET の他にペルメトリンなどのその他の忌避剤を使用することにより衣服を透した蚊の吸血を防ぐことができます。しかしながらペルメトリンを直接肌に使用してはいけません。

またベビーカー専用の蚊帳等も販売されています。

最後に蚊が繁殖できるゴミ、容器などの水たまりを周囲(地域)から、なくす努力が必要です。

Q. 忌避剤を妊娠中や授乳中の女性に使用しても良いですか?

A. アメリカ環境保護庁(EPA)は妊娠中や授乳中の女性の忌避剤の使用について特に注意喚起を行っていません。疑問がある場合は医師に相談してください。


忌避剤と日焼け止めについて

Q. 忌避剤と日焼け止めを同時に使用しても良いですか?

A. はい。野外では忌避剤と日焼け止めを同時に使用するべきだと思われます。製品の使用上の注意を良く読み正しく使用して下さい。一般的に日焼け止めを先に使用し、次にその上から忌避剤を使用します。

特に海外などでは忌避剤である DEET を含む日焼け止め製品が販売されている様ですが、アメリカ疾病対策センター(CDC)はこれらの使用を推奨していません。DEET と日焼け止めでは使用法が異なります。多くの場合日焼け止めは頻繁に使用する必要がありますが、忌避剤は日焼け止めほど頻繁に使用する必要はありません。また DEET 以外の忌避剤を含む日焼け止めも現時点では推奨されていません。重要なことは、いかなる製品も使用上の注意を良く読み正しく使用することです。

日差しと蚊から身を守るためには長袖長ズボンも有効です。また肌に直接忌避剤を塗布しなくても衣服に塗布すれば忌避剤は効果を現します。